高齢者こそ IT

私は高齢者こそITを使ったほうが良いと考えています。

お買い物でのお支払い

お札や硬貨は探しにくいですし、取り出しにくいものです。お釣りの計算や確認は年をとると遅くなってしまいます。もちろん正確性も欠くことになります。

でも電子マネーならそんな手間も必要ありません。〇〇Payの導入は難易度が高いので、SUICAで十分です。カードでチャージしておくだけでOK。使いすぎることもありませんし、紛失しても再発行すればいいでしょう。

公共交通でのお支払い

お買い物でのお支払い同様ですが、バス・電車などでの支払いこそSUICAですよね。

お札や硬貨は他人の手を渡っていますので、バイキンだらけです。紙幣に至っては洗浄できませんから、清潔な状態で使うのは難しいですよね。高齢者にとっては風邪だって命にかかわることもあります。非接触型の電子マネーは命を守る電子の財布とも言えます。

盗難対策

決まった金額をチャージできるプリペイドカードなら現金を手元においておく必要はありません。現金を手元においておくと、盗難に遭う可能性が飛躍的に上がります。常に電子マネーを使っていれば、泥棒に対してのアピールにもなりますよね。

タクシーを呼ぶ

日本では Uber はハイヤーに限定されていますが、日本交通の配車アプリは自宅からでも、訪問先(役所や病院)からでも配車が可能です。電話ではうまく伝えられない場所でもアプリなら現在地はGPSで指定されますからそんな心配もありません。

弊社の周りには病院がいくつかあります。天候の悪い日に高齢者の方が手を挙げてもタクシーが停まってくれないことが多々あります。手を挙げるタイミングがちょっと遅いんです。代わりに停めて、乗ってもらったことも何度かあります。配車アプリがあればこの問題だって解決できます。行き先も支払(カード)もアプリに入っていますから乗るだけです。

写真の閲覧

老眼になると焦点が狭い範囲しか合わなくなります。さらに疲れやすくなってきます。そんな時に写真が大きくなればかなり助かります。

iPhone、iPad で写真を見る時にピンチをつかえば大きく出来ます。

スクロールもサクサク出来ますからストレス無く写真を探すことが可能です。

LINEでつながるおばあちゃんたち

先日あるお宅に伺ったところ、80代なかばのご婦人が iPhone を楽しそうにご覧になってました。何をされいるのかお話したところ、お友達と LINE をされているそうなんです。画面を見せていただきましたら、美味しそうな料理の写真やスーパーでの食材の写真が写っています。写真に加えてその食材を使った料理のレシピや作り方のコツまで情報交換されているのです。旅行の相談や世間話までLINEでされているそうで、「とっても楽しい」そうです。

音声入力

テキスト入力は手間がかかりますし、これからキーの配置を覚えることも生産的ではありません。私だって音声入力の方が早いくらいです。AIがどんどん賢くなっているので音声入力の正確さは日を追う毎に進歩しています。

ICカードのSUICAでしたら、発行時に駅員さんが教えてくれますし、チャージも現金でできます。カードでのチャージも緑の窓口に行けばちゃんと教えてくれるでしょう。そから一歩進んでモバイルSUICAやスマートフォンのアプリを使う際には、ちょっとしたハードルがあります。

ここからはITをスマートフォンと置き換えてみます。

高齢者がスマートフォンを使う上でのハードルは

  1. アプリの初期設定

  2. 困った時の質問

の2つです。

アプリの初期設定については身近な誰かがサポートするのが良いと思います。お子さんでもいいですし、企業でもいいです。行政が窓口を作ってもいいのではないかと考えています。年金の支払口座の設定までやってあげられればとっても安全だと思うんですよね。

先のLINEを使いこなしているご婦人方も最初は娘さんに設定していただいたそうです。設定さえしていただければ、あとは自由自在に使いこなしていらっしゃいます。すべての機能を使うことはありません。ご本人の目的が遂行できればそれでいいのです。

困った時の質問については、まずは多くの人が使っている機種を使うことが必要だと思います。私は「らくらくホン」は反対派です。私自身が使ってみたのですが全くわからないのです。電話のかけ方はわかりますが、写真の撮影や保存、アプリの追加、音声入力の仕方などは一見親切なインターフェイスに阻まれてかえってわかりづらくなっています。高齢者は電話だけ使えればいいんだよと言っているように感じました。

私の推薦するスマートフォンは iPhone です。使っている人が多いからです。高齢者向けと言われる一見親切なインターフェイスで隠すのではなく、気軽に聞ける使っている人が多いスマートフォンの方がいいと思うのです。


タップ、長押し、ピンチといった操作も高齢者にはすぐには馴染めません。少しの練習は必要です。でもそれさえ出来れば新しい世界が待っています。何歳になっても新しい発見は心を豊かにし、ワクワクさせてくれます。

iPad で写真や動画をごらんになった嬉しそうなお顔は忘れられません。


info@shuwa.co.jp

Hidemi Mori